『移住したら、今の生活をリセットできて、今より幸せになれる。』
多くの人が一度はそんな風に考えたことがあるのではないでしょうか。
わたしもまさにそう思っていました。
移住前の生活は、夫が多忙を極め、わたしは仕事と育児に追われて毎日が息切れ状態。
子どもにも十分に向き合えず、家族がバラバラになっていくようで、心のどこかで「このままじゃいやだ」と感じていました。
そんな不満だらけの日々を、移住すれば一変できる。
そう信じて、思い切って生活の場を移したのです。
これから、その変化と、そこで気づいたことをお話ししますね。
限界を感じていた日常
2019年3月、神奈川県から岐阜県に家族で移住しました。
移住する前の家族構成はこうです。
夫:IT企業サラリーマン
わたし:兼業主婦。週3日時短勤務
子ども:幼稚園児。年長
同じ県内にわたしの実家がありますが、病気や仕事で余裕がなく、頼ることはできません。
当時の日常は、こんな感じでした。
- 夫は朝から深夜まで仕事。土日も出勤が当たり前
- 子どもを雨の日も風の日も自転車で送迎
- 毎朝欠かせないお弁当作り
- 週3日は片道1時間の通勤
- 家事はいつも中途半端で罪悪感
- 頼れる人がいないプレッシャー
思い返すと一言でまとめられます。
――まさに「いっぱいいっぱい」でした。
家族ですれ違う想い

当時のわたしにとって、一番嫌だったこと。
それは
家族がバラバラのように感じること
でした。
毎日夕方になると、子どもが「お父さんに会いたい」と言って悲しそうに泣きます。
それを見るたびに、わたしは胸が苦しくなりました。
「お母さんがいるじゃない、それじゃだめなの?」…悲しい。
「忙しい時間にしくしく泣かれると面倒だなぁ」…イラつく。
「それにしても毎日忙しすぎじゃない」…夫を責める気持ち。
色々な感情が胸にぐわっと沸き起こり、でも、どうしようもありませんでした。
後から聞いた話ですが、夫も家族が気になってはいるものの、手が回らなかったそうです。
いっぱいいっぱいの日常の中、家族間でコミュニケーションができなくなり、不満ばかりがつのっていく。
この状況が悲しくて、苛立たしくて、本当に苦しかったです。
夫からの思いがけない一言
そんな中、突然夫から「地元に移住しよう」という提案が出ました。
正直、動揺しました。
「イヤだ!」と心の中で叫びました。
でも同時に、心の奥底でささやく声もありました。
――このしんどい現実を、住む場所を変えたらひっくり返せるかもしれない。
”変化への怖さ”と”ゼロからやり直したい気持ち”。
その二つを天秤にかけたとき、勝ったのは「やり直したい」という思いでした。
そして、私たちは移住を決めました。
夫が家にいる生活
移住後。
夫は転職。わたしは専業主婦。子どもは小学校に入学。
…という風に変わりました。
新しい環境で全てがバタバタしているうちに1年がたち、2020年冬にコロナが流行りはじめました。
それが更に大きな変化のきっかけになりました。
更に大きな変化とは、夫がテレワークになったこと。
それにより、『夫が常に家にいる』という新しい生活が始まりました。
家族の温もりを取り戻した日々

夫が家にいるようになって、毎日家族で食事ができるようになりました。
それによって、子どもと夫が話す機会が増え、2人の笑顔が増えました。
夫とわたしもよく話すようになり、以前のように言いたいことを心に溜め込まなくなりました。
夫が家にいる日々に慣れた頃、「最近、幸せな時間が増えたかも」と思うようになっていました。
なぜ幸せな時間が増えたと思ったんだろう?と自問してみたら
家族が近くにいると感じられるようになったんだ
ということに気づきました。
家族がバラバラだと落胆した日々から、家族の温もりを取り戻し、安心した毎日を送るようになりました。
まとめ
「幸せだな」と思える今があります。
でもそれは、移住してすぐに手に入ったものではありません。
転職、子育て、コロナ禍……山あり谷ありの中で、気づけば家族の笑顔が増えていました。
きっとそれは、家族が近くにいて、同じ時間を過ごせるようになったから。
幸せは、環境を変えることだけで得られるものではなく、一緒にいる時間をどう過ごすかの中にあったのかもしれません。
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