移住して義父母の家のそばで暮らすようになり、それに伴って義父母の畑に行く機会ができました。
畑で収穫をしていたら、子どもの頃の祖父母との体験が思い出されました。
同じような体験を子どもにも残したい、その思いから子どもも畑に誘うようになりました。
そうやって始まった子どもの畑体験のことを、今回はお話ししようと思います。
移住して畑が身近になった
移住して、義父母の家の傍に住むようになり、義父母の畑が近くにある環境になりました。
これまでは畑が珍しい環境だったので、大きな変化です。
毎日のように畑に行って作業している義父母を見て、『畑と共に暮らすこと』がイメージの世界から現実のことに変わりました。
畑で思い出した感覚
物珍しさもあって畑のことが気になっていたものの、義父母にとって畑仕事は日常のことで、引っ越してきたわたしたちを畑に誘うことはありませんでした。
でも、次第にそわそわするようになりました。
「畑仕事って、実際にやったらどんな感じなんだろう?」
「土に触れるのがいい、というけど、どうなのかな?」
収穫作業だったら邪魔にならずにできるかも、と思い、ある日思い切って「もしよかったら収穫をさせてもらえませんか?」と聞いてみました。
実際に収穫作業を手伝ってみたら、不思議な感覚が湧きあがりました。
野菜に触れたときの、ざらっとした感覚。
土を掘ったときの、土の温度。
茎を切った瞬間に感じるにおい。
土を踏む足の感触。
「あ、この感覚、懐かしい…」
唐突に、子どもの頃の感覚が蘇りました。

子どもの頃の思い出
わたしの父方の祖父母は、和歌山ではっさく農家をしていました。
思い出の中にある祖父母の家は、周りに山、川、畑、庭があり、木々や草花に囲まれた自然が豊富な所でした。
小さい頃、祖父母が畑や山にわたしをよく連れて行ってくれました。
特に印象に残っているのが、祖母といっしょにいちじくを採りに行ったことと、祖父といっしょに筍を採りに行ったこと。
祖母に「いちじくの白い汁は手につくとかゆくなるよ」と教えてもらい、祖父には「筍は地面の中に生えているから靴をぬいで土の感触で探すんだよ」と教えてもらいました。
あの時の周りの木々の色や湿気を帯びた空気感と共に、触れた実のざらつきやつないでいた祖父母の手の熱さが、今でも心に残っています。
自然の中で得た体感は、大人になっても残る。
自分で実感しているからこそ、子どもにも同じようなものを残したい、と考えるようになりました。

子どもの畑体験
収穫期を迎えた時に声をかけてもらい、最初はわたしだけ収穫を手伝いに行っていました。
そのうち、タイミングを見て、子どもも誘うようになりました。
行く前は渋々といった感じでも、おばあちゃんとおしゃべりしながら収穫をしていたら、そのうち楽し気な声をあげていました。
その後、義父母の好意で、子どもの友だちもいっしょに収穫をさせてもらいました。
じゃがいも掘り、みかん狩り、つくし採りに栗拾い。
おしゃべりしながら作業して、毎回にぎやかなイベントでした。
友だち以外でも、いとこといっしょにスナップエンドウを収穫したり、親せきといっしょに芋掘りをしたりもしました。
そうやって、畑での体験が少しずつ積みあがっていきました。

畑の野菜がテーマの自由研究
小学校3年生の夏、子どもが「畑の野菜を自由研究のテーマにしたい」と言い出しました。
研究の題名は、『おじいちゃんの畑で育てている夏野菜』。
何度もおじいちゃんといっしょに畑に行って、雄花や雌花のようす、実のなり方などを、観察しながら写真におさめました。
家では、実を半分に切って、断面の種の様子を観察し、記録しました。
また、朝に畑に行って、開花直後の花に受粉させる体験もさせてもらいました。
最後は、おじいちゃんの家で、野菜作りで気を付けていることや、野菜に関する質問などをインタビュー。
こうやって半月くらいかけて取り組み、かなり内容が詰まった研究ファイルができあがりました。
夏休みの終わりに、自由研究ファイルをニコニコしながら眺めている孫祖父ペアを見ていたら、胸が温かくなりました。

まとめ
きっかけはわたしの想いからはじまった子どもの畑体験ですが、実際に子ども自身がどう感じているかは分かりません。
でも、「おじいちゃん、あの野菜、肥料は何をいれるの?」と義父と話していたり、「また、つくし採りに行きたい」と言ったりしているのを見ると、これまでの体験が子どもにとって『いいもの』として残っているように思います。
子どもが小学5年生になったとき、料理に興味を示すようになりました。
意外なことで驚きましたが、もしかしたら、これまでの畑体験が影響を与えたのかもしれませんね。


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